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制作の合間に

色々な予定が重なる事がある。

奈良ではこの見たい展示。
大阪ではこの展示。
期間は、重なってる。 一日かけて行き来するのもいいけど、制作もしたい。

土で作品をつくるにあたって、土は生ものなので、乾燥するし今日じゃないと出来ない作業もある。
タイミングを外すと土に無理をかけてしまうので、素材の良さが自然に出ない。不自然になる。
自然の恵みでつくらせてもらってるのに、失礼だ。
私はその土の日々の変化を観察して、添うのが好き。
その生活の中で土に教わる事が多くある。


だから、もちろん予定は、制作優先に組まれる。
窯入れを控えていたのでいつもよりもピリピリしていて、見たい展示もあるのに外出出来なさそう…。
と思いながらも、ちょっと3時間ほど出れそうだったので、昨日  奈良の秋篠の森で展示されているMAROBAYAさんの展示を見に行ってきた。最終日だし今日しか無い!

MAROBAYAさんは服をつくられている。

それはそれは、丁寧なものばかりで触っているだけで贅沢な気分になる。
最終日という事もありMAROBAYAさんもいらっしゃって、生地のお話も聞くことができた。
魅力的な理由もわかって、ますます触ってしまう。
もうすぐ夫の誕生日という事もあって、シャツをプレゼントに買った。
素敵なプレゼントを見つける事ができて嬉しい。

そして手にしたら、欲しくなってしまうから迷ったけど、手に取るどころか試着してしまった。

それは、真っ白なエプロン。

清潔感ただよう 美しいエプロン。

エプロンって普通汚れるから、真っ白なんてそう無い。
それに選ぼうともしない事の方が多いだろう。

それが、やっぱり理想的なエプロン。

汚れるとかそんなんじゃ無い。

そのエプロンをつける事によって、お料理にしろお掃除にしろ向き合う気持ちも姿勢も変わる。
世界観が変わるんだろうな。
そういう魅力のあるエプロン。

学生の頃、気分屋な教授がいて気分屋過ぎて言ってる事がよく分からなかったので、私はほぼ聞く気も無かった。だって、冬になるとスキー優先で授業を組むんだから。
彫刻の授業で石膏を使う事があった。石膏はなかなかデリケートな一面もあって、扱いが難しい。
みんな汚しながら、一生懸命 課題に向き合っていた。
中でも不器用な私は人一倍汚かったし、必死だったので汚れていてもかまわないと思っていた。

が、やってきた。教授が!
 私の方へ。最悪。
眉間にしわ。嫌な予感。  機嫌悪そ〜〜う。

一言、

いいものつくる人は、作業も美しい。

と。
かなり嫌味たっぷりに言われたので隣にいた子が、ぎょっっっ! としていたが、
私は腹立つわけでも無く、あっさり、そらそうやな〜と 納得してしまった。
制作に対する想い全てが含まれるし、何より美意識だ。

その出来事があって以来、自然と出来るようになった。
心底納得するってこういう事なんかな。

まあ今は相手は土なのでそれなりに汚れるけど。
最小限だ。

エプロンを試着していると、そんな制作の場面に居て欲しいアイテムだった。
これをつけて制作なんて、どれだけカッコイイだろうか。
どれだけ美しいだろうか。。。
私なんかが申し訳なさすぎるが、ルー・シーリーみたい。
一気に想像が膨らみエプロンも買った。

家について再び制作するのが楽しみだ。

そして、帰った瞬間、エプロンつけて早速制作。
良好。進む進む。はかどりすぎて、予定より一日早く素焼きを始める事が出来た!!!

明日、一日フリーになるやん!!

そして今日、大阪 中之島で行われてるDESIGN EAST に行く事にした。
(ちなみにこういう急なおでかけには妹を相方に。そういえば昨日の秋篠の森も一緒だった。妹は学生なので学校とバイト以外は実家でウダウダしているから、絶好の獲物となる。一人で楽しむには勿体無いから誘う。今日も起きてから電話したので、どうもまだ寝ていたのか  え〜〜〜急やな〜分かった〜と頼りなく答えた。)

行って良かった。
川沿いの心地良い風が通り抜ける中、これまた素敵なスツールに出会えた。
得る事も沢山あった。
そして併設されているカフェでゆるりコーヒーもいただけた。
(カフェは、お世話になっているラ・ガルリのオーナー河上さん×料理研究家・堀田祐介さんのカフェであり、これまた我が弟がそのカフェでお手伝いさせてもらってる事もあり、ぜひ行きたかったのだ!!)
心地良い野外でのコーヒーは格別だ。
壁一つ隔てて外に出るだけで、こんなにも違う。
大阪の都会といえども自然の力は偉大だ。


そうこうしている内に夕暮れになってきて、夜も楽しみたかったがもう一つ行きたい場所があって先を急ぐ事にした。

玉造のバイエルさんで行われている硝子作家 JOYY.SUZUKIさんの個展へ。

何年か前から、いつか見たいな〜と思っていた硝子で、行ける事が本当に嬉しかった。

やっぱり思っていた以上に美しかった。

硝子がのびやかだった。

やさしかった。

私は10代、硝子に魅了されて夢中だった。憧れの象徴だった。もちろん大学でも硝子専攻。今はご縁あって土で制作させてもらっているが、やっぱり永遠の憧れが硝子にはある。
それは抽象的な思いかもしれないが…。

こんなのびやかで優しい硝子に出会えるのは久しぶりで幸せなひとときだった。

作品の横に添えられてる文章も泣きそうになるぐらい心に響くものばかりだった。
妹が一緒だし、恥ずかしいしでこらえたけど、
思い出した今、涙が出てきた。
夜中の魔力が追い打ちをかける。
まあいいか〜、目が腫れても明日は家で一日釉薬掛け&窯入れだ。

繊細で硝子みたいな美しい方なんだろうな…

そんな作品に出会えるって、本当に幸せな事だ。
バイエルさんに感謝だ!!

何だか人工的なもので溢れかえっているようにも見える世の中だが、本当に美しいものが沢山ある。
どんな事からも美しい事は生まれるし、引き出す事が出来る。

自分次第なんだろうな。
どんな目で向き合うかで世界は変わるんだろうな。

日々、心にとめて出会っていき向き合いたいな。

寄り添いたいな。
by mo36a36ni36 | 2010-10-03 04:06


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